【制度改正に関するQ&A】

そもそも工事担任者とは?

電気通信の工事担任者は、法律によって規定された国家資格です。利用者のネットワークや端末設備を、NTT等の電気通信事業者のネットワーク(電気通信回線設備)に接続する際に必要となる資格です。
 この資格制度は、一定の知識や技能を持った工事担任者が工事を実施(または実地に監督)することにより、全体としての電気通信回線設備を保護する仕組みとなっています。昨年の制度改正後、工事担任者の役割については、従来と同様です。

制度改正で、どう変わったのか?

従来のアナログ種はAI種に、またデジタル種はDD種に引き継がれ、工事の範囲、資格試験の内容、共に見直しがなされました。各資格の工事範囲を要約すると、次のようになります。

AI第1種 アナログ回線とISDNへの接続工事
AI第2種 上記のうち、回線数50以下(内線数200以下)に限られた工事 (ISDNの場合は、64kbit/sを1回線相当に換算して50回線以下)
AI第3種 上記のうち、回線数1に限られた工事 (ISDNの場合は、基本インタフェース1回線)

DD第1種 デジタル回線(ISDNを除く)への接続工事
DD第2種 上記のうち、接続点の入出力速度が100Mbit/s以下に限られた工事(主としてインターネットに接続するための回線の場合は1Gbit/s以下)
DD第3種 上記のうち、接続点の入出力速度が1Gbit/s以下で、主としてインターネットに接続するための回線に係る接続に限られた工事

AI・DD総合種 AI第1種とDD第1種を合わせたすべての接続工事

試験ではどこが変わるのか?

基礎科目では、特に変更はありません。
 技術科目は、大幅に変更され、情報セキュリティの技術や、管理技術(工事の設計・施工・安全管理や端末の運用・保守管理)が追加されました。またこれに加え、AI種では、従来のアナログ種の内容にISDNの技術が追加され、DD種では、IPネットワークの技術やブロードバンドアクセスの技術などが大幅に充実されることになりました。
 法規科目では、不正アクセス禁止法、電子署名法などが新たに加えられています。


【受験と資格者証に関するQ&A

デジタル1種資格を持っているが、申請すれば、DD1種に書き換えられるか?

資格者証の書き換えはできませんので、DD第1種を新たに受験してください。この場合、基礎・法規科目が免除となりますので、技術科目のみ受験すればよいことになります。
 他の資格を保有の方や、詳細を知りたい方は、電気通信国家試験センターのホームページhttp://www.shiken.dekyo.or.jp/)、もしくは試験申請書類に含まれている「受験の手引き」を参照してください。

アナ・デジ総合種を持っているが、AI・DD総合種を取得するには?

アナログ・デジタル総合種取得者は、DD第1種試験に合格すれば、AI・DD総合種資格者証の交付を申請できる特例がありますので、活用するとよいでしょう。
 実際の試験では、基礎・法規科目が免除となりますので、DD第1種の技術科目のみに合格すればよいことになります。このほか、AI・DD総合種の技術科目に合格する方法もあります。