本書は初級から中級のアプリケーションエンジニアを対象としていますが、DBエンジニアの方々が知識を整理する上でも役立ちます。また本書は、理論の先にある実践的な最適化手法(いわゆるチューニング手法)を述べていますが、特定のDBMSに依存することはありません。実践に即しつつ、関係モデル理論の基礎と、各社RDBMS製品の共通アーキテクチャを再確認します。
といっても、全部を“おさらい”するのではありません。効果的な重点ポイントの絞込み方にこそ、著者の蓄積スキルが集約されており、そこに本書の最大の価値があります。つまりは、問題解決とスキルアップの最短コースが示されているのです。
◆第1章と2章は「課題編」です。
第1章では、DBMSをよく知らないために起こった事件等を例示し、問題を提起します。
続く第2章では、ITエンジニアが陥りやすい、誤ったDBの使い方を見ていきます。
◆第3章と4章は「理論編」です。
第3章では、関係モデルを学び直します。第4章はDBMSの内部構造と操作を学び直します。
◆第5章以降は「解決編」です。
第5章は「DBMSの苦手を知る」ことから初めます。誤った使い方を分析し、理論と照らし合わせて、問題の所在を解明します。
第6章ではDBMSを使いこなす術、第7章でSQLを使いこなすための代表的な手法を詳しく解説。
最後の第8章では「DB利用の心得」をまとめて、本書を締め括ります。
■著者プロフィール
真野 正(Mano Tadashi)
大手SI会社(株式会社シーエーシー他)の勤務を経て、2005年にデータアーキテクト(http://dataarch.co.jp)として独立。RDBに黎明期より携わり、モデリングからDBA、SQL性能改善まで幅広くデータ系全般をカバー領域として、多くのプロジェクトに参画。システム基盤はメインフレーム、C/S、Web系を経験。データモデリングでは概念レベルにとどまることなく、実装を意識した設計を心掛けている。著書に『実践的データモデリング入門』(2003年 翔泳社刊)、『独習データベース設計』(2009年 翔泳社刊)などがある。
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