■本書のゴールと工夫
本書が最も重視したのは、必要な知識を厳選して、効率よく習得できることです。しかし、本書はK8sを一通り説明して終わる解説書ではありません。本書1冊で、このキーテクノロジーを、開発・運用の現場で実践的に活用できるようになることがゴールです。より具体的な言い方をすれば、K8sを使うアプリケーションの概要設計(論理設計)ができる、あるいはシステムのアーキテクチャを描けるようになることがゴールです。
そこへ向けて、さまざまな工夫を凝らしました。
工夫の1つは、K8s活用の前提となる「Docker」およびコンテナ開発について、基礎から紐解いていることです。Docker技術の全体は網羅しませんが、K8sを扱ううえで必須のエッセンスをお伝えします。
もう1つの工夫は、著者オリジナルの15段階からなる学習ステップを設けたことです。単にシステムの機能や仕様を羅列するような目次構成ではありません。読者が自分のペースで1段ずつステップアップし、着実に上記のゴールに辿り着けるようにしています。
さらなる工夫は、DockerやK8sの動作や開発を擬似体験できることです。時間のない人は、読むだけで擬似体験できます。用意されたツールやサンプルをダウンロードし、実際に手を動かして体験することもできます。クラウド環境でも可能です。読者の都合次第で学習の仕方を選択できるように記述しています。
(本書まえがきより)
■自分のペースで1ステップずつ学習
本書をはじめとする「Step Up!選書」では、読者が自分のぺースで1ステップずつ学習を進め、独学で技術力を高めることができるように、考え抜かれた編成でリードしていきます。網羅的な説明項目の列挙や、理論体系の単純トレースはしません。開発リファレンスや逆引き、クックブック(開発レシピ)とも違います。プロのエンジニアとしての実力を高めるための著者オリジナルのシナリオに、士気高く踏み出してください。
■著者プロフィール
高良真穂 (たから まほ)
日本アイ・ビー・エム クラウド&コグニティブ・ソフトウェア事業本部に所属
Certified Kubernetes Administrator CKA-1800-001213-0100
2002年、日本IBMへ入社。以来、自動車業界、航空業界、金融業界、大学および研究機関などのお客様プロジェクトに参加し、基幹系業務システムから科学計算用システムまで、幅広い分野のシステム基盤の設計や構築を手掛ける。そうしたプロジェクトに従事するなかで技術開発を行い、自身の発明で特許取得するなど主体的に取り組む。クラウド分野へ異動後は、クラウド利用を前提としたスマートフォンのアプリケーション開発とサービス運営を事業とするお客様も担当。
現在、IBMのクラウド戦略の一環であるKubernetesをコアとしたIBMクラウドのサービスやソフトウェア製品を担当。これらのセールス活動を通じ、お客様企業とIBM社内へ向けて、Kubernetesの啓蒙と、教育活動を展開。コンテナおよびKubernetesの技術支援や提案活動に力を入れ、活動している。
■本書の主な内容
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