●本書のテーマ
業務へのAI導入が本格化するなか、「AIの説明責任」──即ち、AIの出す推論結果に根拠を示せないことが問題になっています。その解決策としてXAIが注目され、様々な実装コードが公開されていますが、研究者向けの論文が多く、ビジネス現場の実情に即した技術解説は見当たりません。「AIの説明責任」はエンジニアとビジネスパーソンの双方にとって喫緊の課題であるにもかかわらず、基本認識を共通化できるような網羅的・体系的な整理を欠くのが実情です。
本書はXAIについて、背景から個別技術までを体系的に学び、いくつかの主要ライブラリを試しに動かしながら、実務適用に向けた知識を習得できる待望の解説書です。
●想定読者
・AIや機械学習を扱った経験がある、または勉強中の技術者
・AIや機械学習の業務適用を検討しているビジネス担当者
【前提とする知識やスキル】
・機械学習の概要を理解している方(入門書を2〜3冊読んだ程度で可)
・AI開発/導入の実務経験はないけれど、実用化に向けた課題を知りたいという方
・Pythonのコードを書ける、少なくとも写経はできる方
・何らかのプログラミング言語に触れ、変数や構文くらいは理解している方
・高校程度の数学の知識。簡単な関数やベクトル演算、集合演算等の数式表現に強い抵抗のない方
●本書で獲得できる知識やスキル
・「AIの説明責任」について、重要性や課題を説明できるようになります。
・AIの業務適用では、誰にどのような「説明」が求められ、現在のXAIで何が可能か解ります。
・XAIによる「大局説明」と「局所説明」の使い分けができるようになります。
・各種のXAIの狙いや動作原理を平易な数式で把握。主な手法の得手/不得手、扱うデータや解くべき問題の違いが解ります。
・各種XAI技術を俯瞰し、説明相手や性能要件、データ特性、AIのアルゴリズム等に応じて、手法選定にあたりをつけることができます。
●本書の内容と読み方
・前半(第I部・II部)は、XAIの概要を知るための読み物。
・メインパート(第III部)ではXAIのハンズオンを通じ、手法選択、実装手順、結果の読み解き方を学びます。サンプルデータを使い、現在主流のXAIライブラリをPythonで実装、結果を出力し、その読み解き方までを通しで習得できます。サンプル事例を扱わないXAIについても、利用場面や出力例を確認できます。
・最後(第IV部)にXAIの限界などを紹介し、より発展的な使い方のヒントを提示します。
【本書では扱わない情報】
・XAIに関する高度な知識、数式の展開や証明
・Pythonや外部ライブラリ等の環境構築手順の詳細
・RなどのPython以外の実装
◆「AI/Data Science実務選書」とは…
機械学習やAIの計算モデルは、システム開発のパラダイムを覆しつつあります。「AI/Data Science実務選書」は、AI開発とデータサイエンスのプラクティスを集め、実務家のスキル獲得/向上を力強く支援します。
■サンプルコードのダウンロードはこちら
■本書の主な内容
|